『2187年 宇宙の旅 ──21人ぐらいいる!──』は、群像劇型のLARPです。
LARPとは、普段の自分とは別のペルソナ(性格だけでなく、別の性別を演じても構いません。犬や魚や怪物になることもあります)を纏い、概要を共有した架空の舞台(ファンタジー世界や終末世界など。そしてファンタジーでも、DQ風なのかFF風なのかでプレイヤーの心構えは変わるでしょう)へと没入し、現実世界ではなかなか行うことができない体験(たとえば屋内サバゲフィールドをダンジョンに見立て、各人は鎧や柔らかい武器で武装、それでチャンバラをしながら怪物の支配するダンジョンを攻略をしていくなど)をするという遊びです。だいたい実際に体を動かしながら遊ぶことになります。
ファンタジー風の衣装を着けてTRPGのような物語を体験したり、サバイバルゲームさながらに戦闘を楽しんだりするものが有名ですが、普段着でホラーを遊んだり、テーブルに着いて食事をしながら会話を楽しんだり、役職や性格の設定された議論を体験するといったものまで、様々な種類があります。
似ている遊びとしては、マーダーミステリー(マダミス)やTRPGなどがよく挙げられます。
マダミスは「キャラクターになりきって遊ぶ」ものです。故にキャラクターの方向性を強く打ち出すための「ミッション」や「読み合わせ」などのシステムが存在していますし、ゲーム中にキャラクターが勝手に動き出してしまうこともあります。また通常、キャラクターは主観視点で世界を認識しており、他人の考えは(ときには嘘を含む)会話によってしか理解できません。基本的にゲーム中にプレイヤーに戻ることはなく、よってメタ視点を持って他のプレイヤーと相談することはありません。
TRPGは逆に「キャラクターを第三者の視点から操って遊ぶ」ものです。とはいえキャラクターに感情移入しながら遊ばれる方も多いと思いますが、それでも判定などの際にはどうしても現実に引き戻されますし、物語を紡いでいくためにはプレイヤー同士のメタ視点からの相談が不可欠です。またゲームの世界に対する自由度は高く、宣言し、GMの許可を得られれば、空を自由に飛ぶこともできます。
LARPは「キャラクターを纏う・自分に重ねて遊ぶ」ものです。体験感としてはマダミスのほうが近いでしょう。キャラクターという着ぐるみの中に入ると考えてみてください。このキャラクターには設定がありますが、プレイヤーの思考とどちらを優先しても構いません(キャラクターが「勇者」だったとしても、強大な敵から逃げても良いのです)。
マダミス同様、ゲーム中は主観視点で、基本的にプレイヤーには戻りません。ですので物語が思わぬ方向に転がって行ったりもします。TRPGのようにステータスやスキルなどといったルールがある演目もありますが、それでも宣言や判定に成功したら願ったことが解決するわけではなく、実際に行動をする必要があります(「目星」を付けたいなら部屋を家探ししなければなりませんし、「図書館」なら文献を読んで必要箇所を探し出さなければなりません)。また現実世界で肉体を使って遊ぶ関係上、物理的な制約がかかります。普通、人間はなんの補助もなしに空を飛ぶことはできないものです。
『2187年 宇宙の旅』は群像劇型のLARPです。キャラクターが21人存在し、それぞれがそれぞれの人生を生きる主人公ですが、同時に他のキャラクターの脇役となっています。また少しだけ教育LARPの要素を加えています(これは全員で話し合いをするというものです)。
舞台は2187年の未来です。これは下記の背景設定をお読みください。
背景世界:
2136年、『超空間航法理論』、つまり『ワープ航法理論』が発表されました。宇宙船の前方の領域を収縮・後方の領域を膨張させて形成した超空間内を、船の周囲に環状に展開した力場を用いて滑走することで、超光速で遥か彼方へ移動できるという技法です。この時点では机上論に過ぎませんでしたが、いくつかの企業が実験機の開発に乗り出し、2145年、ロボットによる初の超空間航行に成功します。
人々の目は再び、宇宙開発へと向けられました。地球上の人口はすでに飽和しきっていたからです。
新天地とする惑星は『ケプラー1649c』と定められました。地球から300光年ほどしか離れていない場所にあり、かつ地球に似た環境であろうと推測がなされていたからです。公募の末に『アーシア』と名付けられたこの星へと、超空間航行実験を兼ねて幾度も調査機を送り込むうち、地表の環境が地球と酷似しており、テラフォーミングすれば第二の地球になるという確証が得られました。人類はそれまでの民族のしがらみを超えて手を結び、宇宙船や作業ロボットを増産、アーシアへと送り込みます。
ですが道行は安全とはいえず、何隻もの宇宙船が、何千体ものロボットが、超空間の狭間へと消えていきました。航法が確立し、航路が安定するのは2167年のことです。ようやく動物実験が開始され、有人飛行までたどり着いたのが2175年。これはアーシアが人間の生きていける環境になっているかを確認するための旅となりました。調査艇は300光年の距離を、たったの8時間で通過します。
長くて短いこの旅は、成功しました。──片道だけは。
現地のテラフォーミングがすでに完了していることを報告した帰路、調査艇は不意に、超空間の闇の中に消えました。時空を歪めた超空間の中では一切の通信が行えず、また調査艇の残骸さえも発見することができなかったため、なにが起きたのかは現在に至るも謎のままとなっています。
こうした犠牲はその後も幾度か支払われました。彼らの屍の上に航路の安全性は高まり、2182年、ついに大規模な移民が行われるに至ります。アーシアへと無事にたどり着いた人々は、ロボットが整備し、アンドロイドがサービスを行う人工都市の上で、それからの人生を紡いでいくこととなりました。
そして現在、2187年。
高速旅客艇パンゲア号は地球を発ち、一路アーシアへと向かっています。あなたがたを乗せて。
■形式:オフライン専用・群像劇型LARP
・それぞれのキャラクターの視点からSFあるあるを楽しむ遊びです。
・コミュニケーションゲームですので、プレイヤーには積極的な交流が推奨されます。
・キャラクターには家族・幼児・恋人・変人・犬・ロボットなどの設定のものがあります。
・人によっては精神的に辛い可能性のあるキャラクター設定があります。
・設定書(ハンドアウト)は先渡しとなる予定です。
・戦闘ルールがあります(簡易的なものなので、剣を振ったりはしません)。
・途中で担当するキャラクターが死亡する可能性があります。
・というか、21人が全滅する可能性さえあります。
・そのうえで、一度しか遊べないタイプの演目です。
■主な委託先:
・縁側ひなたさん(Twitter ID: @engawa_nite)を予定しています。
■プレイ時間:
・3~4時間程度(説明・感想戦込み。ゲーム本編は2時間固定です)
■プレイ人数:
・プレイヤー21人(キャラクターは男性11名&女性10名)+ゲームマスター1人:計22人
(数人バッファとなるキャラクターがおりますが、スライド対応です)
■プレイヤー用キャラクター:
[Special thanks]
ダイゴローさん(Twitter ID: @daigoro_0602)
縁側ひなたさん(Twitter ID: @engawa_nite)